失敗しないタネまきの方法を会得しよう

 野菜の苗づくりをするうえでは、よい土壌によいタネ、それに日光や湿度などの環境がよくないと、当然のことながら健全な苗はできません。
 タネは保存状態のよい新鮮なタネをまかないと発芽しなかったり、発芽がふぞろいになったりします。一般に野菜のタネは採取してすぐにまくことはあまりしないでしょうが、採りたてのタネはある一定期間休眠し、発芽しないものもあります。ホウレンソウ、レタス、ニンジン、ゴボウは2〜3ヵ月くらい休眠するといわれています。
 地方のその土地にあった伝統野菜はそれで品種が固定されているので、品質の劣化は少ないでしょうが、最近は一代交配種(F1)が一般的になっているので、作づけした野菜からとった種をまいても、親と同じ品質の野菜が収穫できません。タネは信用のおける種苗会社から購入したものをまきます。
 日のカンカンあたるよな店先で売られているタネは、発芽能力がなくなっていることもあります。
タネ袋を確かめて発芽保証期間内のタネを求めます。
 覆土は、タネの大きさの2〜3倍の厚さにかけるのが基準です。あまり土をかけ過ぎると酸素不足で発芽しないこともあります。タネには発芽するときに光を好むものと、嫌うものがあります。光を嫌うタネに薄い覆土しかしないと、発芽しないことがあります。
発芽のときに光を好むもの コマツナ、シュンギク、レタス、ミツバ、インゲン、ニンジン、ゴボウ、シソなど。
これらはタネまき後、タネが見え隠れするくらいのごく薄い覆土にします。そして、霧吹きで静かに水をかけるとか、新聞紙をかぶせ、その上から水をかけるなどの工夫をして、発芽までタネが乾燥しないように注意します。
発芽のときに光を嫌うもの ダイコン、ネギ、タマネギ、ニラ、チャイブ、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、ウリ類などが該当します。これらはタネの2〜3倍の厚さにしっかりと覆土をします。
 タネの皮が厚いオクラやツルムラサキは、タネを一昼夜水につけて十分に吸水させ、表面に針などで軽く傷をつけてまきます。
 高温下では発芽しにくいホウレンソウ、レタス、セロリなどのタネは、水で冷やすことで発芽しやすくなります。水は数回とりかえて、溶け出した休眠物質を洗い流し、水切り後、ごく短い根がでたときにまきます(芽だしまき)。
天気予報に注意し、雨を待ってタネまきします。タネまきは土がほどよく濡れているのがベスト。雨が期待できないときには畑に水をまいて、土を湿らせてからまきます。
 じかまきとは、直接畑にタネをまくやり方です。根が直根性のものや生育が弱く移植に適さないもの、栽培が簡単で短時間で収穫できる野菜向きです。ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、コマツナ、ホウレンソウ、タナネギなどが適しています。
 じかまきしない野菜は、タネまき専用トレーやビニールポット、育苗箱などの容器にタネをまいて、畑に移植します。容器によるタネまきは寒さに弱いオクラ、トマト、ナス、キュウリ、鳥やネズミなどにまいたタネを食べられるようなマメ類、トウモロコシ、カボチャなど。鳥の食害については、ネット張りして注意すればじかまきもできますが、ビニールポットなどにまいて、定植したほうがよいでしょう。
 カリフラワー、ブロッコリー、キャベツなどは苗を何度が移植したほうがより品質のよいものを収穫できます。容器にタネまきするときは1ヵ所に2〜3粒のタネをまき、本葉が2枚のころ太くて丈夫な苗を残し、1本にするのが一般的です。また、作づけよりやや多めの苗をつくっておきます。育苗箱などで、一定の大きさになってから畑に植え移すことを定植といいます。タネまきせずに、ビニールポットなどに売られている市販の苗を植えることも同じです。
作物の生育を助け、病気の予防にも役立つのがマルチングです。畝を平らにならしたら、マルチングする場所の周囲に10cmくらいの溝を掘ります。ピーンとなるように張って、掘った溝の土を端にかぶせて固定させます。