病害虫に強い野菜をつくろう

科学薬剤での土壌消毒は、病害虫の予防には効果がありますが、土中の有効微生物をも全滅させる危険性もあります。家庭菜園では燻蒸剤などの土壌消毒は控えましょう。
【転地返し】冬の寒いときに、畑の土の上下をひっくり返すように耕して、寒さで土中にひそんでいる病害虫を殺す方法です。
【日光消毒】少量の土だと可能な方法です。ポリ袋に湿らせた土を入れ、口をふさぎ、それを太陽のよくあたるビニールハウスのなかに入れ、土壌温度が上がるようにして2〜3週間おきます。
 畑には害虫だけでなく、害虫を餌とする昆虫や動物も生息しています。農薬をまくと、害虫も益虫もみな殺しにしてしまいますが、この天敵関係をうまく利用して害虫の被害を軽減させることが注目されています。天敵にはみかけの悪いものが多いのですが、よく見分けて保護することが大事です。
クモ トンボなどの益虫も食べますが、チョウやガなどの成虫、ハエグリバエなどを退治してくれます。
トンボ ウンカ、カ、ハエなどを退治してくれる天敵です。
ナナホシテントウ
ナミテントウ
ヒメカメノコテントウ
アブラムシの天敵です。幼虫の見かけは悪いですが、大事に保護しましょう。
クサカゲロウの幼虫 アブラムシ、ハダニ、カイガラムシの天敵です。
アシナガバチ チョウ、ガ、チュウレンジバチの幼虫の天敵。刺されることがあるので、巣の近くでは注意してください。
カマキリ 野菜を食害する昆虫を食べてくれます。
ガマガエル、アマガエル 見かけは悪いのですが、野菜を食害する昆虫を食べてくれます。
そのほか トカゲ、ジガバチ、野鳥などは野菜を食害する害虫の天敵です。
 植物は葉や根からいろいろな物質を出し、ほかの植物とかかわりながら生育しています。これをアレロパシー(多感作用)といっています。植物のだす物質が昆虫を寄せつけなかったり、ほかの植物の生育を阻害したり、逆に助けたりしています。このように、植物同士、相性のよい場合と悪い場合があります。
アブラムシにスプレーで牛乳を散布します。牛乳がアブラムシの気門(呼吸するところ)にくっつき、アブラムシを窒息死させます。また、牛乳が乾くときの収縮力で圧殺します。使用後は、スプレーをよく洗浄しておかないとスプレー口がつまるので一度の散布ごとにきれいに洗っておきましょう。
ニンニク1玉を水1リットルとともにミキサーなどでくだき、布でこします。これをさらに5倍に薄めてキュウリ、カブの幼苗期の苗に散布します。べと病、黒星病、さび病に効果を発揮するほか、ハダニマメコガネなどの害虫の被害を軽減することができます。
ペットボトルでつくった風車を畑に立てておくとモグラが寄りつきにくくなります。モグラは振動に敏感なので、竹竿の上に風車をつけ、風車が回転するときの振動でモグラを驚かせます。竹竿をしっかり土中にさしてしまうと、振動が伝わりにくくなるので、倒れない程度に軽くさします。
トウガラシの辛み成分のカプサイシンでアブラムシアオムシヨトウムシキジラミホコリダニスリップスなどの害虫の被害を軽くすることができます。乾燥したトウガラシ50本を1リットルにホワイトリカーに1週間ほどつけて、トウガラシの辛みエキスを抽出します。その抽出液を薄めずにそのまま害虫にスプレーして散布します。
カフェインやタンニンを構成するフェノール類をセンチョウヨトウムシが嫌うので、コーヒーのかすを野菜の株元にまいておくと、これらの害虫の被害を少なくすることができます。また、インスタントコーヒー液をアブラムシに散布しても、アブラムシを退治できることがわかっています。
空き缶や1リットルの牛乳パックを半分に切ったものにビール4分の1カップを入れて地面すれすれに埋めておくと、ビールの香りで集まったナメクジがおぼれ死にます。また、バナナの皮をおいておくとナメクジが集まってきます。昼間はバナナの皮の下にいるので、それを捕殺します。
てんぷら油の廃油にバナナやブドウのすりつぶしたものを浮かべておくと、害虫が果物の匂いにひかれて集まり、油まみれになって窒息死します。
ドクダミの生葉で野菜の株元を覆うようにマルチングすると、病害虫の被害が少なくなります。ドクダミは生葉でないと効果がありません。
細かく刻んだニラを野菜の株元にまいておくと、オンシツコナジラミが寄り付かなくなります。
野菜の上でアブラムシ、アオムシ、ヨトウムシなどが黒っぽく、または白っぽくなって死んでいることがあります。これはウイルス病で死んだものです。これを十数匹集めてすりつぶし、水1リットルに1滴の展着剤を加えた液に混ぜ、2倍に薄め、スプレーでアオムシやヨトウムシにかけると、ウイルス病が虫に移って死にます。
アブラムシは光るものが嫌いなので、銀色ポリマルチをします。