食糧、農業を取り巻く環境についてはいまさら申し上げるまでもなく、国全体の農業政策に見られる市場競争の原理を基本とした波がことさら強烈に吹き付けております。さらにWTO農業交渉、EPA二国間貿易交渉などにも見られる通り、自由化問題も最終局面にさしかかろうとしております。このような環境下、米をはじめとした農産物価格の下落、引いては農家所得の減少、担い手・後継者不足は深刻な情況を呈しております。
当農協としては、いかに組合員の皆様の所得向上のお役に立てるか、生活向上にどれだけ貢献できるか、いわゆる『選ばれる農協』『挑戦する農協』確立に努力して参りました。
中国餃子事件で大きくクローズアップされました食品の安全性については、安心・安全を基本とした「みりょく満点」統一ブランド確立は、まさに時宜を得た事業であると確信いたすものであります。基幹作物である稲作を中心に、トマト、きゅうり、インゲン、にら、ピーマン等で栽培方法の差別化を計り、有利販売に努めてまいりました。更に水田農業の重要性を認識し、ホールクロップサイレージの生産に全国に先駆けて取り組みました。昨年は13haの実績でしたが、今年の生産申込みは既に60haになろうとしております。また今年度は、飼料米の試験栽培にも取り組んでおります。バイオエタノール開発による世界的な穀物高騰など、新たな稲作の可能性を探り、将来必ずや組合員の所得向上につながるべく努力をいたします。
畜産振興面では、繁殖和牛の増頭、ホールクロップサイレージ提供による飼料高騰対策などを実施して参りました。また催事事業では、前年度に建設いたしました斎場「JA斎苑やすらぎの杜」の利用が順調に進捗しており、子会社設立により更なるサービス向上に努めております。平成20年度早々には、矢吹斎場もオープンいたしました。燃料事業では皆様のご協力のもと、店頭販売を週3日に限定し、超廉価販売による抜本的改革に取り組んでおります。
信用事業部門では、合併以来最重要課題であった不良債権処理に前年度取り組んだ結果、平成19年度においては、ほぼお約束通りの実績を残すことが出来ました。昨年度の痛みを忘れることなく、最高のサービス提供を前提にしつつも経営の健全化を進めてまいります。
世界的食糧不足、穀物高騰の中とはいえ、高度経済成長を遂げた国内他産業との所得格差是正は、自然相手の農業では組合員の皆様の結束による活動以外に解決の道はないと思います。農協運動の原点に立ち返り、最善の努力をして参ります。
今後ともより一層のご支援、ご協力をお願い申し上げるとともに、組合員各位のご活躍とご繁栄を心よりお祈り申し上げご挨拶といたします。
平成20年5月